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*懐かしのギャラリー

Original Pignose 7-100
Guitar Player誌 1977年

MESA/Boogie SANTANA Guitar Player誌 1981年

Greco EGF-1200

Sunburst Lady 1981年

Mosrite Japan 70's

The Ventures Model

店主の部屋

少年時代には高嶺の花であった Gibson や Fender のギターを、普通に使うようになる時が自分に訪れるとは思ってもみませんでした。

著名な機種も所有してはいるものの、HPでご紹介する程の名品ではありませんので、愛着という観点でピックアップしてみたいと思います。

1.Aria ProⅡ CS-250 #2050030 1982年製

店主が自宅での練習用として永年愛用する、これぞ Japan Vintage の逸品!

 

CS-250 という機種は聞きなれないかもしれません。おそらく Aria ProⅡの80年代の国内版カタログには掲載されていなかった※)と思われる隠れ形式ですが、実際はポピュラーな入門機種 CS-350 と同一に扱われていたと思われます。CS-350 との相違点かつ CS-250 最大の特徴は、その塗装仕上げにあります。

当時の国産廉価版ギターに施される塗装は「ポリエステル・フィニッシュ」といって、厚くて硬く、ガラスのような質感を持っていました。

それに対して CS-250 には「オープンポア・フィニッシュ」といっておそらくウレタン系と思われる塗料を噴きっぱなしてあり、いわゆる仕上げの鏡面研磨過程を省略した、しっとりした肌触りになっています。

※)同時期の海外版カタログには CS-250 と固有に記載されていた。


「ポリエステル・フィニッシュ」は前述のとおり厚くて硬いために、Vintage Guitar に施された「ラッカー・フィニッシュ」のような経年による塗膜の劣化や、摩擦による剥離を起こすことは先ずありません。

しかしこの「オープンポア・フィニッシュ」は塗膜が非常に薄いうえに

「ポリエステル・フィニッシュ」ではないため、とても自然に摩擦による剥離を起こすことが分かりました。従って弾きこんだところや体に当たる部分の塗装は剥げ、次第に Vintage な外観へと変身したのです。

決してレリック加工(古色仕上)を施したのではありませんよ!


このギターには、これといったカスタマイズは施していませんが、ペグだけは廉価版の通称 “亀ペグ” が装備されていたため、Gotoh製のクルーソンタイプに交換してあります。他はビス類をステンレス製に、ジャックを新品に交換した程度でしょうか。3ピースメイプルのネックは反りにも強く、30年以上にわたってノントラブルを維持しています。

極限までコストパフォーマンスを追及しながらも、ギターとして必要とされる品質だけはきちっと維持されている、Made in Japan というか当時のマツモク工業の心意気が伝わってくる、私にとっての逸品です。

 

CS-250 や CS-350 は安価な普及路線のギターであったために膨大な数量が販売されましたが、入門機種ゆえに正しくない使い方をされたり改造のネタにされたりしたことで、状態の良い中古ギターを入手することは困難になってきています。高級品や珍品ばかりが取り沙汰されることの多い Japan Vintage の世界ですが、Les Paul Jr. にも遜色ない高品質の入門機種が存在したことは、もっと評価されるべきと思います。

2.三鷹楽器 Chiquita Travel Guitar CH-1 #Nothing 1982年頃

1990年代に入ってから登場した ZO-3 や Pignose PGG で、スピーカーとアンプ内蔵がポータブルギターの定形仕様みたいになってしまいましたが、80年代にはまた別の発想で作られた楽しいミニギターが活躍していました。

今は廃業してしまった三鷹楽器がリリースしていたのが、Chiquita Travel Guitar

です。ギター本体を限界まで小形化し、これも小形の専用ハードケースに収めてミニアンプを付属させるという、一族の総合力(笑)という手法で、ポータブルギターを成立させていました。


このギターはオールマホガニー材でできており、ヘッドからボディエンドまでが 1ピースの通しネック。その両側にボディ材がラミネイトされているという、Gibson Firebird(リバース)を踏襲したような構造をしています。もちろんトラスロッドもしっかり装備されていますよ。

付属のミニアンプは、出してみるとこんな感じです。ケースとお揃いのツイード風クロスが、お洒落にキマっていますね。

ただ形状はブラックパネル期を模しているので、ブラックトーレックスの方が自然ではあると思えなくもないのですが…

トップパネルには、左から Inputジャック、ボリューム、パワースイッチと必要最小限の装備と機能ですが、これで十分でしょう。

ICの型番が、見えない向きに取り付けられているので確認していませんが、おそらくミニアンプの定番である 386 系の設計と思われます。

背面には、なんとヘッドフォンジャックを装備! 至れり尽くせりの仕様で本当に恐れ入ります。

電池ボックスは 9Vの 006P電池を挿し込むだけの、簡略化された構造です。まぁハードケースから出さないで使えば、落ちることは先ず無いでしょう(笑)。


入手時には既にモデファイが施されており、ペグが Aria ProⅡ のロトマチック、PU が Bill Lawrence L-500 に交換されていました。

そしてヘッド裏には、懐かしのダイモテープで “KAZUMI” の文字が…

80年代初頭 Guitar Magazine誌の黎明期には、渡辺香津美氏のコラムも連載されており、この Chiquita Travel Guitar を “カズミバンド” のツアーのお供に愛用していたとの記述も登場しますが、果たしてこれがそのギターそのものなのか、はたまた氏の熱烈なファンが、あやかってヘッドにネームを貼りつけただけなのかは、今も不明のままです。

ただ当時の氏は Aria ProⅡ のエンドーサーをしていましたし、PU の選択もツアーのステージで使うことを考えれば妥当な形式だと思えなくもありません。もしやの事実のためにと、店主はこのギターに手を入れることをご法度・ご禁制とし、早や数十年が経過していたのでした。

なんでも鑑定団が出張してきたら、出品してみようかな?(笑)

3.Gibson Les Paul Standard #72517582 1977年製

冒頭で定番は出さないと宣言してしまいましたが、愛着という点ではトップクラスのひとつなので、ご登場願いました。

こうしてみると、店主の黒いギターはみな歴戦の勇士でボロボロですね(笑)。

 

Gibson社では、1976年に入ってからネック材をメイプル 3Pに変更しましたが、このギターの塗装の剥げている部分で、その材の違いが色でも確認できますね。あえてアップにはしませんけれど、塗装が剥げた部分では何層にも塗られた塗料の層を知ることもできます。

この時代、Gibson社も Fender社も量産と品質管理の狭間で同様に苦しんでいたわけですが、Fender社があっさりとポリエステル塗装を採用したのに対し、Gibson社では頑なに手間と乾燥時間のかかるラッカー塗装に固執し続けたことは、老舗の意地というか宿命を感じます。

ハードウェアには若干手を入れておりますが、それにしても使用のピークであった、80年代のそのままで変化ありません。

ノブを扱いやすいバレルノブ。

PU は正に当時の定番中の定番。

フロントに DiMarzio PAF。

リアに Super Distortion です。

ペグは入手当初から既に Schaller M6 に換装されていましたが、ヘッドが重くなりすぎること、ストリングポストが高いためテンションが緩過ぎてしまうとの理由で、

Greco の名作 MH-EGS に交換しました。

これによりペグの重量は 70%程となり、メイプル化で重くなったヘッド部のバランスを改善。ストリングポストも低くなり、絃のテンションにも満足できるようになりました。正にカスタマイズの原点です。

70年代の Norlin Gibson製ギターも、いつの間にか Vintage Guitar の仲間入りをし始めたようにも感じますが、当時からリアルタイムで共にしてきたギターが経年で風格を帯びても、あまりそんな意識になれないのは店主だけでしょうか? クラプトンのブラッキーについても本人にとっては同様の思いではなかったのかと、次元がちがい過ぎて比較するのも恐れ多いですが、そのように連想してしまった次第です。

4.Aria ProⅡ ST-400 #B780193 1978年製

アリアのストラトタイプでは当時の最廉価機種でしたが、今となっては“ラージヘッド+貼りメイプル指板”の美味しい仕様となりました。呼称:アリア・ヘンドリクス(笑)。このギターも満身創痍…

といっても店主の酷使が祟った末路ではなく、入手時からそれは酷い状態だったものを修復し続けたあげく、

現状に至った次第です。前オーナーは左利きだったのでしょうか?

ジミヘンよろしく1絃側のホーンにストラップピンが移設され、モンタレーよろしく何処かに叩きつけたのでしょうか、ジョイント部には大きくクラックが入っている惨状を呈していました。本当に哀れです。


結果として、ストラト用アセンブリの試作・研究用として再生させる道を選び、クラックを接着処置。販売中の「Duncan Designed SC101 H-S-H のように…」というサーキットの試作品を搭載しています。

ボディ各所に残る傷については、ギターをいたわる戒めとしてそのままにしてありますが、時間が経つと景色として見られるから不思議です。

メイプル・ワンピースネックが上級機種だった時代の名残で、このギターもラージヘッドのロゴの辺りが貼り合わせになっているのですが、木目と木地の色合いがマッチしているため殆ど分かりません。

意識して69年頃の仕様を再現した製品では無いのですが、偶然にもそのものの外観に近くなっていますね。

3・4弦のストリングガイドを外して埋木したのも効果的です(笑)。

トレモロユニットは Wilkinson

ライセンスの WV6SB に換装。

スタッドボルトには側面にノッチの凹が付いた SCUD SRPOCを使用して、PRSギターのような “フリーフローティング式” にチャレンジしてみました。

結果は上々で、アームダウンは言うまでもなく、アップでも軽いアクションで 1音半は上がるくらいの自由度が得られました。チューニングにも支障しないよう、ペグもゴトー製のマグナムロックに換装しています。後は可動部の調整とグリスアップを繰り返すことで、徐々に安定度を増して行きました。

そうそう、トレモロユニット交換に伴って弦間(ピッチ)も 11.3mm

から 10.8mm に狭くなったので、手の小さい店主にとっては、とても弾きやすいギターになってくれています。

ご参考までにパーツの価格にもよりますが、ナット交換やフレットの摺り合わせを始めとするセットアップで、一式 5万円~くらい見ておくとだいたいご意向に沿った仕上がりになると思います。特にピックアップの価格は天井知らずなので、ノーマル装備品にそれほど不満がなければ最後に持ってきてもいいくらいです。それくらいセットアップで変わる比重が高いことを、店主は経験値として感じているわけです。元のギターが安価だとどうしても投資を躊躇する気持ちも分かりますけれどね。

気に入っていて思い入れのあるギターには投資してあげてくださいね。

5.ブランド不詳 OPBタイプ ショートスケールベース  1970年代製

店主が自宅で愛用するベースがこちら。

OPB とは説明するまでもなく「オリジナル・プレシジョン・ベース」を指しますが、各所にコピーしきれていない箇所が満載なのにも関わらず、雰囲気だけはある(個人の感想です)という憎いやつ。

撮影していなかったのが悔やまれますが、これも私のところに来た当時は無残な姿でした。時間をかけて分解・清掃していくうちに生気を取り戻していくのが嬉しいですね。 一部のフレットはダメージが大きくて打ち替え~摺り合わせを行いましたが、極力元の部品を残すようにしてあります。しかしノブだけは入手時から欠損していましたので、SCUD製の高さの低いメタルノブを付けました。まぁまぁ似合っているかな?

ヘッドの色だけ見ると焼け過ぎたラッカー風にも見えなくはありませんが、裏面もグリップも全て同色なことから、素材由来の色であることは否めません。メイプル製ではないことは確かで、おそらくナトー(ニャトー)製かと。

強いて難を言えば、ロッドカバーが惜しいなぁ…調整はヘッド側からの方が、やり易いのは分かるのですけれどね。ギブソンみたいなナット形状も一緒にオマケしておきます。


ボディの形状が微妙に歪んでいて OPB の形状を捉えきれていないところが、いなたいというか愛らしいというか… この時代のコピーモデルにありがちな、写真からのトレースであることを伺わせます。

きっと元にした写真のベースはPUカバー付だったのでは?

だからカバーの下の形状は、想像でこうなったのではないかと…

オリジナルのPU直付より複雑にしてしまったのは意図的でしょうか?

あっ、そうか。時代的に、元にしたのが OPB ではなくテレキャスターベースだった可能性がありますね。とすると、このPU形状にも納得。

いずれにしても、このネック材の色ではワンピースネックにはできませんね(苦笑)。オリジナルには無いローズ指板の採用にも納得(笑)。