オリジナル7-100発売中!

(マスコットは非売品)

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*懐かしのギャラリー

Original Pignose 7-100
Guitar Player誌 1977年

MESA/Boogie SANTANA Guitar Player誌 1981年

Greco EGF-1200

Sunburst Lady 1981年

Mosrite Japan 70's

The Ventures Model

ピグノーズ修理帳・リペアの巻

Pignose 7-100(オリジナル)7-100R(リイシュー)を問わず、各種リペアを承ります。

カスタマイズとの境界線が微妙なところですが、あくまでも破損部位の補修や動作的に復活させることを、リペア(修理)と捉えています。

お問い合わせの欄より、お気軽にご相談ください。

よく「故障しましたが直りますか?」というお問い合わせをいただきますが、今のところ幸いにも “打率10割” 全てお直しできております。

逆に「何が直せないか?」ということを考えてみますと、代品の用意できないトランスの故障と、キャビネットの破損※)くらいでしょうか。

つまり、余程の例外的な症状でない限りお直しできますので、どうぞ安心してご相談ください。

 ※)ジャック部にプラグを挿したまま落下させ、付根の木部を破損。

  という事例は修理できています。

*これまでのリペア依頼で、多かった内容を挙げます。

1.電池の液漏れに伴う、接点の腐食 → 電池ケースと配線を交換。

2.配線の断線 → 再接続または交換。

3.ジャックの接触不良・破損 → 接点の清掃または交換。

4.ボリュームのガリ・ノイズ → 接点の清掃または交換。

5.ノブの偏芯 → ボリュームシャフトの矯正。

6.各部品のゆるみ、ネジ類の紛失 → 調整および欠損部品の補充。

7.発振やノイズ → 電子部品や配線の経年劣化、異物混入等。

Pignose 7-100R の生産が香港から中国本土に移って10年以上が経過しました。さすがに経年が浅いせいもあって修理ご依頼の件数は少ないのですが、無いわけではありません。工業生産品に「CE規格」という制度が適用されてから、はんだ付けのはんだに融点の低い鉛入の使用が禁止され、代替金属による「無鉛はんだ」によってアセンブリされています。安全を謳ってはおりますが、融点が高くはんだ付け作業の難易度は上ってしまいました。そのため修理依頼品の多くがはんだ付け不良が原因なのは、皮肉なことです。修理においても作業性が悪く、誠に申し訳ありませんが、中国製については修理部位にもよりますが、修理代を20~30%割増させていただく場合がありますことをご了承ください。

                          Mar.12 2020

先のコメントからしばらくしてお預りした中国製 Pignose 7-100R を開けて驚きました。ジャックやポット類ほぼ全てが基板付となり、そこに付けられたコネクターを介した配線に変更されておりました。

さすがにスピーカーの端子だけははんだ付けされていましたが、それ以外のはんだ付けによるハンドワイヤリングは、ほぼ一掃されたと言ってよいと思います。音質の良し悪しより、生産時の配線や修理の簡易化を

重視した結果と思いますが、これまで店主が行ってきた「ハンドワイヤリングによる修理」が通用しなくなった構造が現れたことにショックを受けております。このお客様の場合は、幸いそのことにあまり左右されない修理内容だったので支障はありませんでしたが、ジャックやポット類のようにほぼ「専用化」された部品に問題があった場合、修理をお断りさせていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。

中国製のいつ頃の時期からか、その年代やシリアルナンバーとの関連は未だ把握できておりません。分かりしだい追記させていただきます。

                          Apl.30 2020

*修理とオーバーホールのちがいについて

修理前の、ご相談段階でのやりとりでよくある事例なのですが、「音が出なくなった」「急にノイズが乗った」という症状のみの改善なのか、症状が出ないところもトータルでオーバーホールするのかでは、費用も日数も変わってしまうことをご了承ください。

米国製のオリジナルをはじめ、台湾製・香港製そして中国製と生産国は変遷していますが、香港製ですら20年は経過していますので、電子部品やワイヤー、はんだ付け箇所の経年劣化は着実に進行しています。

特に顕著なのが電解コンデンサーで、ノイズや発振等の多くはこれと接触不良がもたらす事例が多いです。従って電解コンデンサーを全て交換すると抽象的な表現になりますが、音がすっきり明瞭になります。

メーカーには申し訳ないですが、製品には最も安価な価格帯の普及品が使用されており、オーバーホールではそれよりはやや高級なオーディオにも使えるクラスの部品を採用しておりますので、音質は向上します。

またノイズや発振等の故障を修理しても、部品交換により僅かに音質に変化を生じる場合があります。修理をご検討の際は、症状のみに対応した修理か全般をメンテナンスするオーバーホールかをご選択ください。

                          Mar.12 2020

<よくある修理例>

1.乾電池の液漏れを放置してしまうと、接点の接触不良に始って、

  やがては電線の腐食にまで進行してしまいます。

  液漏れするまで乾電池を入れっぱなしにしないことが第一ですが、

  もしやらかしてしまったら、お早目の修理依頼をお勧めします。


2.使っているうちにノブが緩んできたり、次第に傾いてきたりしたら

  要注意です。シャフトを歪(ゆが)めてしまうと、ノブが正しく固定

  されなくなって使いにくくなり、最悪ノブの紛失につながります。

  きちんと処置しておくことで、いつまでも快適に使えますよ。


意外にも、基板の電子部品のトラブルは、少なかったように思います。

(その経験不足で、下記のトランジスタ故障への即応に遅れる。苦笑)

しかしロットの古い製品から、経年による電解コンデンサの劣化が心配されますので、10年を経過したら特に異常を感じなくても、音質に劣化がないか、ノイズが急に増えていないか、気にしてみましょう。

ただし、電解コンデンサの劣化が始まる時期には、部品の個体差が激しく、40年近く経過したオリジナル 7-100 でも異常を感じさせない個体もあるので、難しいですね。

PCB(基板)を完全分解してしまいました。


はるばる米国から届いた 7-100 レッドラベル を開梱してびっくり。

恐れていた現地DIYでパーツ配置や配線が滅茶苦茶にされていて唖然…

動作確認をする気にもなれず、いったん完全分解をしてからパーツ個々のチェックを行い、組み直しをすることにしました。

いざやってみると結構たいへんな作業で、優に3時間はかかってしまいました。素子の足は、パターンに合わせて丁寧に折り曲げられているうえ、パターン前面に厚くはんだが盛られていることで、素子を傷めずにPCB から外す難易度はとても高く、神経を使うものです。

左の写真がその全容(拡大してご覧ください)。外してみると、たったこれだけの部品で成り立っているシンプルさに驚かれることでしょう。

ひとつだけ行方不明になっていたのが、1Ωの巻線抵抗器だったので、参考までに他の PCB に装着されていたものを右に載せました。

これからパーツを確認しながら、じっくりと元どおりに組み上げます。

これまで何台もの 7-100 を修理してきましたが、PCB の実装パーツを全て取り外すのは初めてのこと。できるだけオリジナルを維持したいという思いもあって、そういうことはなるべく避けるようにしていましたからね。興味本位なんてもってのほか、決してやってはいけませんよ。

                          May 9 2016

後日談、

コンデンサをチェックしたところ、容量抜けでダウンしていたため全交換。1Ωの巻線抵抗器を追加して組み上げたところ、真新しいコンデンサらしいすっきり感のある艶やかなサウンドが甦って、ひと安心です。

                         June 12 2016

陥没したDCジャックとプレートを修理しました。


千葉県にお住いのO様より、DCジャックの陥没とそれに伴うジャックプレート変形の修理ご依頼です。この部分は強度的にも弱い場所のため形状の修復+補強という観点で行いました。順を追ってご説明します。

※写真を拡大してご覧ください。

 

①DCジャックはプレートを変形させたうえ、完全に陥没しています。

 おそらくプラグを挿したままでぶつけたか落下したかで、強い衝撃が

 ジャックとプレートに集中的にかかったことが原因と思われます。

②ジャック類を一旦取り外し、接着されているプレートを剥がします。

 写真では筐体側の接着剤を落としたところで、プレート裏面には未だ

 残っています。実は、全工程で最も神経を使うのがこの作業です。

③清掃されたプレート裏面です。ここから整形工程に入ります。

④作業には平滑な木台、ミニハンマー、ウッドハンマーを使います。

⑤ミニハンマーの曲面と平面を使い分け、プレートに当ててからウッド

 ハンマーで少しずつ叩いて整形します。ハンマーで直接打つことは、

 プレートへの衝撃が強すぎて別の変形が生じるので行いません。

⑥裏面の形状が整ったら、表面からも整形を行ないます。その場合も必

 ず木片を当てて、ハンマーで直接打たないようにします。

⑦折り目や歪みもとれて、ほぼ平滑になりました。

⑧元どおりに取り付けて完了です。DCジャックの部分にはワッシャー

(オリジナルには非装備)を追加し、がっちりと補強してあります。

 

O様、この度はありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。                Apl. 25 2015

Piggy In A Box(エフェクター)を修理しました。

山梨県にお住いのS様より。

 

Piggy In A Box という、Pignose 7-100R の機能をダウンサイジングしたエフェクターがあるのですが、その出力が出なかったり歪んでしまうという症状でご相談をいただき、お預かりしました。

アンプにつなげばディストーションまたはプリアンプ。スピーカーをつなげば Pignose 7-100R になってしまうという優れものです。

 

ところがこの “優れもの” は少々難物でして、PCB(プリント基板)の両面に、黒い樹脂が一面にコーティングされてしまっているのです。

そのため視覚的なチェックはおろか、シグナルトレーサーという信号を追跡する機器を当てることもできません。まぁ “半ブラックボックス状態” とでも言いましょうか、全く困ったことをしてくれたものです。

 

前述のとおり回路の 80% は Pignose 7-100R を踏襲していることは分かっているので、初段アンプの増幅状態からコツコツ動作を追うことにして、とにかくトライしてみることにしました。

しばらくテストを繰り返すうち、プリアンプアウトの歪み方が変化する時と、スピーカーの出音が途切れるタイミングが一致することに気付き、出力トランスを調べると、配線の一か所に接触不良箇所を発見。

ここのコーティングを剥がし、はんだ付けし直すことで修理完了です。

原因調査が手さぐり状態だっただけに、それが分かって修理できたときには、他の修理とはちがう不思議な達成感を味わってしまいました。

障害が立ちはだかると燃えるというのは、こういう事例でしたっけ?(笑)

ちなみにスピーカーアウトの出音の確認には、米軍スピーカーの筐体を加工した簡易スピーカーボックスを製作し、使用しています。

 

Pignose 7-100R のスピーカーよりは小径なのですが、やや高域に寄った迫力ある音が楽しめます。

サイドのノブはアッテネータで、マスターボリュームのように出音をしぼることができるため、深夜でも爆音OKでテストに重宝しています。

 

S様、この度はありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。                Feb. 14 2015

原因は、ポット(ボリューム)にあった…

神奈川県にお住いのS井様より。

 

95年製 Pignose 7-100R(リイシュー)の最大音量が、どうも低いように感じる。というか、ボリュームが上がりきらないように感じる。という内容のご相談でした。

 

音量が上がらない、パワー感が不足するという原因の筆頭は電解コンデンサの経年劣化ですが、この個体はそれほど古くなく(と言っても20年弱は経過していますが…)、ちょっと他に原因があるのかな? と、お預かりした次第です。試してみると「ボリュームが上がりきらないように感じる」という感覚が正解で、途中から音量の変化が止まってしまいました。ポットを外して測定みると、写真のとおりフルに回し切ってもテスターの針は0(いちばん右)を指さず、途中で止まっています。

速やかにポットを交換し、その他の接点も、念のためクリーニングして修理完了。お預かり時より、はるかに音量が大きくなりましたよ!

 

新品時の状態を知らないので迂闊なことは言えませんが、これってポットの故障というより、最初からポットが不良だった可能性があります。

買ったばかりでフルにドライブさせることってあまりありませんから、しばらく経ってから気が付くことってあり得る事だと思いますね。

 

S井様、この度はありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。               Dec. 30 2014

コンデンサの耐圧と経年劣化について

写真は Pignose 7-100(オリジナル)の基板の一部ですが、こちらを向いている 47μF(マイクロファラッド)電解コンデンサの耐圧が、僅か 10V しかないことが確認できると思います。

これは、Pignose 7-100 一族で設定されている定格電圧 9V に対してギリギリの耐圧設定であり、余裕の全くない、誠に危なっかしい部品選択と言わざるを得ません。

その理由は分らないでもなく、当時(1970年代)の電解コンデンサの技術力から、今日ほど小形・高耐圧化が成されていなかったためです。

つまりこれ以上の耐圧、例えば 16V 程度を使おうとすると、サイズがひと回り以上大きくなってスペースやコストを圧迫してしまうのです。

2014年の今日では、同等のサイズで耐圧 25V~50V はイケるでしょう。なので、7-100R の基板に付いている電解コンデンサの定格には、かなりの余裕があるという、安全かつ喜ばしい情報でした。

 

話を Pignose 7-100(オリジナル)のことに戻しますと、前述のとおり電解コンデンサの耐圧に余裕がほとんどなく、特に純正品以外の ACアダプタを使用される際は、出力電圧に対して、注意が必要です。

ACアダプタというのは曲者で、出力:DC 9V と表示されてはいても、無負荷状態だと 14Vくらい出ているものも実在するのです。

これは対象の機種と消費電流を合わせていたりするとできることで、既定の消費電流に達すると、見事に 9Vになっていたりします。

だからメーカー側は、純正品をお使いくださいと謳うわけです。

汎用の良質な ACアダプタでは、ノイズは極小。徹底した安定化回路を内蔵して無負荷でも 9.2Vくらいという優れた製品がありますので、純正品以外を使用されるのであれば、こうしたものを選びましょう。

 

最末期に製造された Pignose 7-100(オリジナル)からも、既に30年が経年しているため、別項でも書きましたが、電解コンデンサが経年劣化を起こしていても不思議ではない状態にあります。

パワーが落ちたり音がしょぼくなり始めたら、電解コンデンサの経年劣化を疑いましょう。そして全体の点検も兼ねて、当店に預けましょう!

 <トピックス!> 「レッドラベル」の珍品

拙HPをご覧くださった福岡県にお住いのM様より、ジャックの接触不良と音量が小さいという症状+全体チェックの修理依頼を承りました。

オリジナル 7-100 とのことで、腕の揮いどころです!

 

携わってみて驚いたことが2つ。

①音量が小さい原因が、出力段のトランジスタが片肺だったこと。

 小さいとはいえ音が出ていたため、てっきりコンデンサの経年劣化

 のせいとの見立てで調べても、コンデンサは元気で原因が分からず。

 部品の触診(笑)を進めるうちに、片側のトランジスタのみ発熱とい

 う異常が分かって、後は同形トランジスタに交換して修理完了。

 

②お預かりしたオリジナル 7-100 が、希少な個体だったこと。

 スピーカグリルのエンブレムが水平で、まるでリイシュー7-100R

 のよう。更に筐体内部には、組込日と思われるデイトスタンプが…

 これには驚きました!(1978年11月10日と読めます)

 多くのオリジナル 7-100を修理してきましたが、このような仕様は

 初めて遭遇しました。臨時のラインか外注か、特別な理由があった

 ように思われます。新たな発見に、興味は尽きません。

 ※本機はしっかりオリジナルで、贋作ではありません。念のため。

M様、この度はありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。                Aug. 24 2014