オリジナル7-100発売中!

(マスコットは非売品)

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*懐かしのギャラリー

Original Pignose 7-100
Guitar Player誌 1977年

MESA/Boogie SANTANA Guitar Player誌 1981年

Greco EGF-1200

Sunburst Lady 1981年

Mosrite Japan 70's

The Ventures Model

リスペクト@ハンドメイドプロジェクト

ー自作エフェクター・温故知新ー

<お願い>

・本稿は「ハンドメイド・プロジェクト」各誌の製作記事が、ほぼ作り

 こなせる技量の方を対象とします。よって詳細な説明は行いません。

 先ずは製作記事どおりの製作で腕を磨き、経験を積んでください。

・前述の理由で質問はご容赦ください。本稿はボランティアです。

・たとえ私のモデファイが付加されようとも、原案・著作権は著作者

 (大塚明先生)にあります。無断での製品化はお断りします。

 自作エフェクターは、製作者自らが楽しむためだけに存在します。

<注意事項>

ドリルやはんだごてを始めとする工具を使用しますので、取り扱いには十分注意し、怪我や健康への影響が出ないよう気をつけてください。

本DIY工作について起きた事故や怪我には、Studio楽庵は責任を負いません。自己責任で楽しめる方のみ製作されるよう、お願いいたします。

第三弾:チェーンソーファズ(新映 Fuzz Box FY-2 の復刻)

ハンドメイド・プロジェクト Vol.3より(以降 HMP と略します)



テーマ:オリジナルを残しつつ、回路変更によるファズ効果を楽しむ。

やること:1.2種類のフィードバック回路を比較する

     2.本回路のキモであるトーンフィルターをパスさせてみる

第三弾には、HMP Ver.3  歪み系エフェクタの製作 から「新映 FY-2」にご登場願いました。※正式には「新映電気 Fuzz Box FY-2」

私が初めて手にしたファズは、名機 Roland AF-100 Bee Baa です。

70年代末に中古で購入しましたが、驚くほど安価でした。その強烈なファズサウンドにノックアウトされましたが、当時私が演っていた音楽には合わなかったので、もっぱらトレブルブースターとして使っていました。どうもファズには飛び道具としてのイメージがつきまとってしまいますが、そこを逆手にとって自作エフェクターの世界では、いろいろな楽しみ方が満載で、かつ勉強にもなる習作としてはうってつけです。

回路がシンプルで、かつ素子の特徴を出しやすいのもうれしいところ。

ここからは、モデファイについての能書きです。

1.2種類のフィードバック回路を比較する

  製作記事のひとつ前は Guild Foxey Lady で本機 FY-2 に近似した

  回路でしたが、一段目の増幅回路と二段目とをフィードバックさせ

  る方法が異なっていました。なので、FY-2 を Foxey Lady 方式で

  フィードバックさせるとどうなるか?というところを、先ず試して

  みたいと思います。比較させるため回路を切り換えたいのですが、

  面倒なことにポットへの配線が全て異なっており、3線を同時に切

  り換えるため、3PDT(9P)トグルスイッチの採用となりました。

2.本回路のキモであるトーンフィルターをパスさせてみる

  これは単にスルーさせるだけで比較が可能です。DPDT(6P)トグル

  スイッチを使用します。

3.基板のラグ板化

  これは単なる私の趣味で、幼いころからラグ板での配線に慣れ親し

  んだことの延長線上にあるためです。トランジスタ2石程度のシン

  プルな回路であれば、エフェクターサイズであってもラグ板化でき

  るという実証でもあります。頭の体操にもなりますしね(笑)。

  もちろん製作記事どおりのプリント基板でも、腕に覚えのある方な

  らばユニバーサル基板(蛇の目基板)であっても容易に製作できる

  範囲の回路と部品数だと思います。

4.ACアダプタジャックの増設

  回路的には消費電流もそれほど多くなく電池駆動オンリーでも十分

  に思えますが、一応エフェクターボードへの装着もできるように、

  ACアダプタジャックは当初から設けておくことにしました。

  極性は、私のセットに合わせて“センターマイナス”。逆接続保護用

  のダイオードと、外部ノイズの抑制用にデカップリングコンデンサ   100μFと 0.1μFを追加してあります。

5.部品について①


 ・製作に使用するパーツ類をまとめてみました。※筐体は加工済状態

  同じ値(473)であっても、カップリングにはフィルム。フィルタ

  にはセラミックコンデンサを割り当ててみました。

 ・半世紀前の製品コピーですが、2023年現在で当時とほぼ同規格の

  部品が揃えられるのもうれしいところ。オリジナルのトランジスタ

  2SC536 は手持ちにあったので使用しましたが、製作記事で挙げ

  られた 2SC1815 でも代用に問題ないと思います。

 ・ポットについては、狭小のダイキャストケース内にトグルスイッチ

  2個と共にレイアウトするため、できるだけ小形のものを探しまし

  たところ、A電子さんにうってつけのサイズ(12.7mm)を見つけ

  ましたので採用しました。これなら4個並びでも可能ですね。

 ※これらのパーツ類全てを 1店舗で揃えることは、おそらく困難と思

  います。電気街を廻るか、数件の通販ショップに分けてお探しくだ

  さい。HMP Ver.3 の情報が比較的新しいです。

6.部品について②

ダイキャストケースの選択については、私の場合 HAMMOND 1590N1 を定番にしています。これは単に BOSS製エフェクターとサイズが最も近似しているのが理由です。BCB-6(現在廃品種)というエフェクターケースも愛用しており、収納・接続ともに便利という単純な理由で長期に至っただけなんですが(苦笑)。

製作記事どおりのタカチ製ケースでも使用可能ですが、基板サイズについては変更の必要があるかもしれません。ご留意ください。

なお試作や私物では、HAMMOND 1590N1ではなく、コピー品 70N1(写真左)を使用しております。ほぼ同サイズなのですが、表面が荒れて(ザラザラ)していたり、ダイキャストにス(鋳巣)があったり、底蓋が反っていたりといずれも僅かなのですが、商品には採用しません。

7.部品について③

①でコンデンサの使い分けについて触れてみましたが、その理由は各コンデンサの役割に基づいています。回路図を見ても、それ以外には特に拘るポイントも無さそうです。それならばと、複数あった 2SC536 を

計測し、hfe(直流増幅率)の近いもの2本を選別してみました。

実際に同じ印字ではありましたがかなり幅もあって、中を取って 200くらいで揃えてみました。2SC1815 なら概ね Y 相当でしょうか。

実機が手元にありませんので知るすべはありませんが、当時の新映電気がそこまでやっていたのかは不明です。でもやっていそうです(笑)。


8.基板(ラグ板)への施工・加工について

選別した部品が揃ったら、予め検討した配置どおりにラグ板へはんだ付けして行きます。配置はメモ用紙にレイアウトし、2回目の案(下)を採用しました。一般の電子工作ではトランジスタをラグ板に直付けですが、私の場合は交換可能なようにソケット式にアレンジしてあります。

下左の作例写真のように、ソケットの配線を先行させるのがコツです。


後はセオリーどおり 抵抗 → コンデンサ の順にはんだ付けを進めますが、適宜エンパイヤチューブでの絶縁を組み合わせてまとめます。

ラグ板はプリント基板よりはんだ付けの熱量も必要なため、放熱クリップ等を駆使してパーツを熱破損させないように注意が必要です。


9.筐体(ケース)への施工・加工について

バッファー&デバイダー製作時に、アルミ製筐体(ケース)の加工については工作編を設けて触れてみました。ダイキャスト製筐体についても大きな相違点はありませんが、やはりポイントとなる事項はありますので、規模は小さいですが工作編を設けてみました。


ダイキャスト製筐体には、アルミ製筐体の多くに見られる “保護ビニルコーティング” が無いものが殆どです。そのため筐体への作図はマスキングテープを貼って行います。またキャスティングされている筐体はコーナーにRが付いていて、正確な作図を難しくしています。私の方法は

 ①バッファー工作編で述べた、側面にクランプでガイド板を固定

 ②あらかじめ製図した型紙を重ねて、ポンチ打ちで位置を転写

の2とおりです。双方に一長一短があるので、適宜使い分けをします。

穴開けの方法もアルミ製筐体に準拠しますが、酷いバリに苦しむことも無い分、ダイキャスト製筐体の方が気持ちは楽です。ただバリが全く生じないわけではないので、きちっとした後処理は必須です。


無事に穴開けを終えてマスキングテープを剥がすと、写真左のようにテープの跡がクッキリ残ってがっかりさせられます(笑)。これは表面にケース成形時に型から抜くための “離型剤” という油のような薬品が残っているために起きる現象で、私は塗料のうすめ液(シンナー)を少量ティッシュに付け、拭き取って解決しています。加えて私の使用したダイキャスト製筐体は廉価品のため、表面にス(鋳巣)が見られるうえ若干荒れてガサガサしています。これはスチールウールで磨くことで少しではありますが、平滑に近くすることができます。しかしスは成形上で生じているため消すことはできません。我慢しましょう(苦笑)。

※中性洗剤による洗浄だとネジ穴に水分が残るためお勧めしません。

上掲の写真はダイキャスト製筐体の加工完成状態ですが、ジャック穴付近に2つの小穴が追加されているのにお気づきでしょうか?

これは基板(ラグ板)を立てるポストのために追加した穴で、3mm のタップを立ててネジを切ってあります。同様にネジ付ポストを使用し、

ネジが筐体の表面から突出しないよう、ナットで裏側から締めるという

文字通りの「裏ワザ」で固定しました。この辺はテクが要りますね。


10.ACアダプタジャック

規格はエフェクタでの標準規格とされる 内径2.1mm プラグ対応。

私の場合は BOSS に倣って他の製作機器同様、「センターマイナス」

を採用しています。この FY-2 では内ばめ式ジャックで、そのメリットを活かし、逆接続の保護ダイオードやデカップリングコンデンサ等を、ジャックマウントにしてあります。写真のとおりレイアウトが混み入ってしまい、ショート防止にエンパイヤチューブも駆使しているため、なかなか賑やかです。ダイオード 1N4007-B、電解コンデンサ 100μF、

積層セラミックコンデンサ 0.1μF を使用しました。

11.ワイヤリング①


完成した基板(ラグ板)を取付前に、筐体内の配線をできるだけ進めておきます。特にポットとスイッチ周りは組み込んでからの配線は困難なため、ボール紙に穴開けして仮配置し、配線したものを組み込みます。

基板やACアダプタジャックへは、あたかじめ想定した長さのワイヤーを準備廃線として出しておきます。作業に熱中するあまり、仮配置時の写真を撮り忘れてしまいました。申し訳ありません。

12.ワイヤリング②


ポットとスイッチ周りの配線が出来上がったら、いよいよ基板とACアダプタジャックを接続して回路関連を完成させます。電池も収納し筐体内に問題なく収まるかを確認。いよいよサウンドチェックに進みます!

13.ダイモテープでレタリングして完成!

一足飛びの完成画像で申し訳ありません(苦笑)。レタリング無しだと作った本人ですらスイッチの機能を忘れてしまいそうになるので、試奏もしないうちから外観だけは完成の域に達してしまいました。テープの効果でスが目立たなくなりました。

先ずはノーマルモードで “チェーンソー・ファズ” を堪能した後、スイッチを Foxey Lady タイプの Fuzz モードにすると、一段とエグくなったファズ音が飛び出してきました。飛び道具としてはこちらの方が良いくらいです(笑)。続いてフィルターを OFF にすると、これはこれで良い感じのファズ音ですが、特徴の “チェーンソー・ファズ” 感は無くなってしまい、シンプルではありますが回路のフィルター部分の役割の大きさが分かります。とても面白いマシンができあがりました。

さぁ、次回は何を手掛けましょうか?といっても 2~3か月後になってしまうと思うのですが、私自身が楽しんでおりますので、ライフワーク的に続けられたら最高だと思っています。

<注意事項>

ドリルやはんだごてを始めとする工具を使用しますので、取り扱いには十分注意し、怪我や健康への影響が出ないよう気をつけてください。

本DIY工作について起きた事故や怪我には、Studio楽庵は責任を負いません。自己責任で楽しめる方のみ製作されるよう、お願いいたします。