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Original Pignose 7-100
Guitar Player誌 1977年

MESA/Boogie SANTANA Guitar Player誌 1981年

Greco EGF-1200

Sunburst Lady 1981年

Mosrite Japan 70's

The Ventures Model

店主の部屋 別館@やりたい放題散らかし放題

テレもどき:Westminster TE250Iと再び遊んでしまった!

「店主の部屋・別館3」で取り上げた Westminster TE250I の加工については、それをご覧になった各位から多種・多彩な意見・感想を頂戴することができました。本当にありがたく、感謝しておるところです。

多種・多彩というのは、シンプルに “面白い” というところから “低価格帯のエントリーモデルごとき?に、手間ひまとパーツ代を投入してまでカスタマイズする価値があるのか?” という苦言めいたご意見まで幅広く頂戴したということで、これは皆さまそれぞれのお考え・価値観をお持ちと思いますので、むしろ当然のことと思います。

店主なりの考えを申し上げると、例えばこの TE250I のようにテレキャスターをデチューンしたようなエントリーモデルにどれだけ手間ひまとパーツ代を投入したとしても、オリジナルを超えるとは思っていませんし、そのようなことに目的や価値を感じているわけでもありません。

「純粋に施工を楽しんでいるため」とそれに尽きるとも言えますが、あえて付け加えるとすれば、何かしらの試作・実験的要素を必ず加えることにしていることが挙げられます。「店主の部屋・別館3」で取り上げた Westminster TE250I については、2つのピックアップのコイルタップ・シリーズ・パラレルを1つのトグルスイッチでまとめてしまおうという課題を作り、クリアしています。こうして作例とノウハウを残しておけば、お客様のご要望にも確実にお応えすることができるのです。

もちろん、併せてギターとしてもしっかりメンテナンスして使える状態まで持ってくることをやらないと、試作・実験的な効果も半減してしまう訳です。そして予想外に使える?ギターに昇華してしまうことも…

TE250I で畏れ多くもあの「テレギブ」を…:

「店主の部屋・別館3」でのカスタマイズで2ハムバッカー仕様にしたことでテレギブに類したサウンドは得られたと思うのですが、やはり格好まで迫るべきだというリクエストもいただきました。

確かに70年代の Jeff Beck を象徴するギターの一本が、あのテレギブであることは誰もが認めるところ。そして個性的な外観も格好いい!

そこで1本目でノウハウも得られたことだし、Westminster TE250I でどこまでテレギブ迫れるかにチャレンジしてみることにしました。

というわけで捕獲した(できた)2本目の TE250I です。1本目から若干のマイナーチェンジがあったようで、0フレットは消滅してギブソン的なナット周りの形状はそのままに、普通の仕様に変わっています。

このギターの基本仕様である「貼りメイプル」が活かせる題材ですね!

基本的なモデファイのプロセスは一号機を踏襲するとして、この個体に与えた課題はこんな内容です。

・メガスイッチを試用した、PRS的5通りのサウンド+コイルタップ

・ブリッジプレートの制限が無くなるのでピックガードを大きくできる

・ピックガードに合わせてコントロールパネルもできるだけ後退させる

一号機のピックアップにはブランド品を採用しましたが、PRS的に使用するとなると、磁極や位相をちょいといじらなければならない場合があります。またフロントはゼブラ、リアはダブルクリームというテレギブの外観を押さえることはマストとも言えますね。

そこでアジア製のピックアップから使えそうなものを選んで、磁極や位相の条件は改造することによって適合させることにしました。

さて、カスタマイズ開始!:

<課題:メガスイッチ試用でPRS的5通りのサウンド+コイルタップ>

メガスイッチは手元にあったのが旧タイプで、配線を取り付ける部分がラグ端子になっていたものです。これはそのままだと端子の先端がキャビティの底に当ってしまうため、直角に折り曲げて対処しました。

併せて当店の「ロングライフ加工」を加えて、接触不良に備えました。

TE250Iのキャビティは底が浅くて狭いため、そこに4コンダクターケーブル2本とコイルタップの配線を押し込むことは結果オーライでは危険すぎます(苦笑)。

少しでもスペースを確保するために、ポットは小形のものを選別して採用することにしました。

アウトプットジャックのエレクトロソケット化は一号機どおりです。

通常の付け方だとプラグの入口が奥まってしまうため、ここは小技的にSwitchcraft #226(L形プラグ)が使える深さまで、ジャックの入口を手前に持ってきています。中途半端な位置で止めるため、裏側からナットで強く締めておかないと、抜き差しでグラグラになってしまいます。

かと言ってジャックを突き出し過ぎると、今度は両脇の止めネジが接触して入らなくなってしまいます。加減というか塩梅が難しいですね。

まぁこれができることに、エレクトロソケットの価値を感じています。


一号機の時は記載をすっ飛ばしてしまいましたが、ペグをクルーソンタイプに交換してあります。オリジナルはオープンギアの簡易形でネジ穴は F-Kye に倣っていますので、今回も12個の穴を埋める苦行の作業をこなしました(苦笑)。F-Key タイプはストリングポストの間隔が僅かにクルーソンタイプより広いため、各1mmくらいの隙間が空いてしまいます。埋める手立てもありませんので、木ネジにワッシャをかませてしっかり固定します。これを怠るとグラグラになるので必須です!

オープンギアのままでも精度に不満は感じなかったのですが、やはりギヤにホコリが付着しやすいこと。

そしてやはりストリングポストには使い勝手からスリワリ形を好んでいたので、クルーソンタイプに交換した次第。でも味のある?ストリングガイドは、一号機同様に留任です。

Westminster らしさというか、実際にプレス一体型で機能させてしまうところが凄い!でも接触面が平坦なのでグリスアップは必要ですね。

話はオープンギアのペグに戻りますが、この時代なので国産品です。

使用感から、おそらくGotoh製の廉価品なのではないかと思われます。

画像は出来上がったパーツを仮り組みして様子を見ているところです。

雰囲気的に “いい感じ” になってきて、製作意欲も高まってきます。

この段階ではピックガードのエッジの処理は途中ですし、コントロールパネルの欠き取りも位置決めまでは進んでいないことが分かります。

この辺りを決めてから、キャビティ内に導電塗料塗布を行います。

ピックアップのエスカッションについては、店主の好みからフラットに加工して取り付けました。

フロント用はピックガードの上に乗せた状態で、リアと高さが揃うようにしてあります。テレギブの場合は既製品そのままで、ブリッジ側が高いスラント形状になっています。

アクシデントが全く無かったわけではなく、ひとつご紹介すると塗装の経年劣化に苦しめられました。

もちろん廉価機種の例外に漏れずポリエステル塗装なのですが、配合を誤ったのか脆くなっており、穴開け等の加工をすると、割れてポロポロと剥がれ落ちることがありました。

一号機で問題なく施工できた弦を裏通しにする加工も、これは穴位置を揃えるためにボディの両面から行うのですが、バックからの穴開けは、前述のとおり塗膜が割れて、散々な結果でした。お客様からの預かり物でなかったことが、不幸中の幸い。もちろん店主が手抜きしたり油断したわけでは、断じてありません。むしろ小穴を開けてその縁を回転ヤスリで面取りすることを繰り返し、一号機以上に慎重に施工したのです。

 しかし回転やすりを当てただけで、穴の周囲の塗膜は吹っ飛びましたから、もう為す術はありませんでした。ズタズタの外観に思わず嘆息…

万策尽きたと諦める前に唯一思い出せたのは、画像のとおり連なって成型された、アジア製のエンドブッシュでした。この連なっている部分で何とかフォローすることができましたが、どっと疲れたことも事実。

よ~く見ると6弦の穴の近くに、隠しきれなかった傷があります。

そうそう、この連続ブッシュは万能ではなく10.5mmピッチですよ。

紆余曲折を経て完成画像です。上はオリジナルのテレキャスターです。

同じ部屋での撮影ですが、照明器具を交換したことが裏目に出ました。

蛍光管の方が良かったと認めたくありませんが、いずれ撮り直します。

ピックガードの大きさを一号機よりもオリジナルに近づかせ、コントロールパネルを 5mmほどエンド寄りに後退させたことも効果的だと思います。ただブリッジの位置だけは変えようがありませんね(苦笑)。

太い4芯コンダクターケーブルの配線も何とか収まり、見かけ上は極くシンプルなギターとして出来上がりました。しかしその内に秘めた機能というか音色の選択肢は凄いです!

メガスイッチによるPRS 的5通りの

サウンドに加え、更に2種類の選択肢を付加した、使える7色が実現!

1.フロント・ハムバッカー

2.第2コイルと第3コイルのパラレル → ストラトのハーフトーン的

3.第2コイルと第3コイルのシリーズ → 疑似ミドルピックアップ

4.第1コイルと第4コイルのパラレル → テレのハーフトーン的

5.リア・ハムバッカー

6.フロントのコイルタップ → 第1コイルのみのシングルサウンド

7.リアのコイルタップ → 第4コイルのみのシングルサウンド

※)1~5は、全てハムバッカーあるいはハムキャンセル。

※)コイルタップは、トーンポットのプルアップにより切り換え。

  但し、1と5の単独ポジションのみの作動。連続切り換えは不可。

店主評:

仕様的には一号機で練れていたので、特に迷うことも無く外観とサーキットに集中できた感じでした。弦は最初から裏通しで製作しましたが、良くも悪くも生音の響きは一号機と区別できないほど似ていました。

でかいアンプで音出しすると、明確な違いを感じられると思います。

目的のサウンドの多様さは、小さなアンプでも十分に確かめられます。

通常のテレキャスターのモデファイとしても通用するし、お勧めです!

テレギブには “やりかけのエルボーコンター” というのがあって、ある意味象徴的な外観的特徴なのですが、先述の塗装劣化によって予期せぬ剥離が生じる危険性が高いため、チャレンジすることは見送りました。

製作の流れとしては、夏の終わり頃から少しずつプランとパーツ集めを始めて、正月明けの落ち着いた時期にアセンブリしたという感じです。

こういうオリジナルの仕様から外れたモデファイは、じっくり考えてまとめて行かないと、思った仕様に着地してくれないことがありますからくれぐれも完成を急がないことが大切ですね(笑)。 2026 Jan. 12

参考文献:テレギブの外観

・プレイヤー別冊 ザ・ベック・ブック

 :プレイヤー・コーポレーション刊