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*懐かしのギャラリー

Original Pignose 7-100
Guitar Player誌 1977年

MESA/Boogie SANTANA Guitar Player誌 1981年

Greco EGF-1200

Sunburst Lady 1981年

Mosrite Japan 70's

The Ventures Model

こんなに音に違いを感じられるの?

コンデンサ &トランジスタ

 その魅惑の魔宮に踏み入れる!

エレキギターやエフェクター、そしてギターアンプを構成するパーツの中で、コンデンサ(キャパシタ)やトランジスタほど、探究心をそそる魅惑に満ちた部品はないでしょう。

店主がコンデンサがエレキギターの音質に与える影響を実感したのは実は2回ありまして、どちらもかなり昔(30年以上前?)の出来事です。

 

<エピソード①:Greco EG700 80年製からの所感>

音の質感というか深みと艶のちがいというか、とにかくそれまで弾いたギターとはちがう音質を感じたため、キャビティを開けてみたらオイルコンデンサが使われていたこと。→ Super Real期の仕様です。

マテリアルの違いとはこういうもの(効果)かと初めて知りました。

 

<エピソード②:Orville Les Paul Customからの所感>

他の Gibson系ギターに比べてトーンが効きすぎているように感じたのでキャビティを開けたらセラミックの 0.047μfが使われていたこと。

→ Gibson系は通常 0.022μf。OrvilleってGibsonの直系じゃないの?

※この場合、気にする対象はマテリアルの違いより容量の違いです。

 

いずれにしても理屈抜きに使って得た印象だったので、自分にとっては貴重な体験だったと思います。

ここでコンデンサによる音の違いの感じ方については、3種類に分けられることが明確になったと思います。

 

1.コンデンサの種類、マテリアル(材質)による違い

  初回の体験が該当するもので、現在のコンデンサによる音質の探求

  の主流を成します。次の定格の違いに比べると効果を表現すること

  は難しく、多分に感覚的な表現となってしまうために文面からその

  特徴を理解することは困難と思われます。

  こればかりは自分の感性を信じて交換による効果を会得するしか方

  法はありません。反面、人によってはその違いが分からないほどの

  領域であるため、無難なラインというアイテムもいくつか挙げられ

  ているので、分からなければそれを選んでおくという逃げ技もあり

  ます。天然水に例えれば○甲の水と南○ルプスの水とか(笑)。

  あなたはどちらがお好きですか? といったような類いのもので、

  双方ともに良さがあるし、コンビニに1種類しか無かったらそれを

  買っても特にこだわったりしないですよね。

  中には稀少を謳って法外な高値で売られている場合もあるので、く

  れぐれも深みにはまらないことをお勧めしておきます。

※でも「やめられない程の誘惑の強さ」をみんな感じている(苦笑)。

 

概念で終始してしまったようなので、そこはフォローしておきます。

店主がコンデンサが音質に及ぼす影響についての具体的な記述を目にしたのは、Guitar Magazine 93年 10月号に記載された Combo Amp.の特集においてです。当時新進気鋭の開発者であった Bruce Zinky 氏の

コメントで、真空管アンプに対してですが、コンデンサの音質に及ぼす影響を語られていました。要約しますと、

 

「同じ容量のコンデンサでも耐圧が異なる場合は、絶縁体(フィルム)の被膜の厚さが異なる。→ 高耐圧のものほど絶縁体が厚い

そのため全ての周波数が同じ条件でそれを通過することができず、特に厚いほど高域の通過に微妙な時間差を生じることが、音の輪郭の違いとなって現れる。現実には低音のノートにも必ず高い周波数の倍音は含まれているため、人間の耳はその遅れを敏感に感じ取ることができる」

 

なるほど。同じ 0.022μf のフィルムコンデンサでも、耐圧50Vと400Vでは音質に違いが生じるという感覚が、現象として理解できますね。

大切なのは、耐圧 50Vが悪くて400Vが良いという短絡的な解釈ではなく、違いが生じる理由として理解し、自分はどちらを好むかの参考にするべきだと思います。言うまでもなく、同じ定格であれば「効き」は同様でなければならず、著しい差異があるとすれば、どちらかが不良品あるいは容量抜けの劣化品という視野も持っていなければなりませんね。

 

2.コンデンサの定格による違い

  前述のとおり、定格の違いはトーンコントロールの効きに対して明

  確に影響を及ぼします。ギターに用いられる主な値は、

  Gibson系ハムバッカー →  0.022μf(223と表記)

  Fender系シングルコイル① → 0.047μf(473と表記)

  Fender系シングルコイル② → 0.1μf(104と表記)

  アクティブ系ピックアップ  → 1μf~4.7μf(電解 or タンタル)

  ※Gibson系ハムバッカーにはシングルですがP90も含まれる。

  ※②は1960年代までに生産されたギターに多用。

  ※電解 or タンタルには極性を持つものが大半です。

  ※1970年代頃までは、 0.022μf →  0.02μf 0.047μf → 0.05μf

   の定格として併行販売されていたため、双方が存在する。

 

こうしてみると、アクティブ用を除いて値がほぼ倍数の関係にあることが分かります。アバウトな表現ですが 0.022μf と 0.047μf とで世界の大半を占めているかもしれないほど、スタンダードな値ですね。

変な例えで恐縮ですが、薄口醤油と濃口醬油のようなものかな?

 

この中間値 0.033μf(333と表記)というのがあってもよさそうだけど意外に見かけません。それも仕方ない事情があって、メーカーは何千という単位でパーツを発注して必死で原価を下げていますから、需要がいくつあるかも分からないパーツなど、なかなか発注できないからです。

 

そんなことなど忘れていたある日、Aria proⅡ  Viper という韓国製ギターをメンテした際に、この 0.033μf が使われていて少々びっくりさせられました。でも冷静に考えてみるとこのギターのPU配置は S-S-H なので、中間値の採用はとても妥当な選択に思えてきます。

実際の使用感ではあまりに普通に使えてコメントが無いくらい(笑)。

S-S-H のギターをご使用の方は、一度試されてはいかがでしょうか。

コンデンサの交換は、合わなければ元に戻せるのがありがたいですね。

 

3.その他の要因による違い

  1で既に述べてしまいましたが、同じ定格であれば「効き」は同様

  でなければならず、著しい差異があるとすれば、どちらかが不良品

  あるいは容量抜けの劣化品という可能性があります。

  ヴィンテージ物と謳ってあるコンデンサについては、LCRメーター

  等の測定器を所有して値の保証ができるショップでの購入が望まし

  いと思います。

  オイルコンデンサでは周辺温度の変化に伴う音質の変化も言われて

  はいますが、残念ながら顕著な変化を体験したことが無いためコメ

  ントできません。恐らく結露や高温下などの過酷な環境を避けてギ

  ターを使用する限り、感じられるほどの変化を得られないのではな

  いかとこれは店主の個人的憶測の範囲なのでお断りしておきます。

*コンデンサ を選んでみよう

以上の能書きから、コンデンサの選び方について綴ってみます。

これはあくまで「店主の経験談としての選び方」なので、他の方法もいろいろあるかと思いますが、参考になれば幸いです。

大切なのは、値とマテリアルを見失って迷宮に入り込まないことです。

 

1.現在のギターに搭載されているコンデンサの効きを確かめる。

  先ずあなたは、このギターのトーンの効きに対して満足されている

  でしょうか?ちょうど良ければ、このコンデンサの値(定格)があ

  なたにとってベストな値だとしておきましょう。

 

2.コンデンサの効きに満足されない場合①

  トーンの効きが強すぎてもう少しライトにしたい場合は、コンデン

  サの値を下げます。例えばストラトキャスターの場合では、標準的

  な値は 0.047μf(473と表記)なので、0.033μf(333と表記)や

  0.022μf(223と表記)に交換してみます。一足飛びに 0.022μfに

  交換してももちろん構いませんが、せっかく交換するのであれば、

  段階的な微妙な効きの変化を感じ取れるようになっていただきたい

  ものです。

 

3.コンデンサの効きに満足されない場合②

  2とは反対にもっとトーンを深く聞かせたい場合は、コンデンサの

  値を大きくします。ストラトキャスターの場合、ヴィンテージと称

  される年代(1968年以前)には 0.1μf(104と表記)が使われて

  いたので、この値を試してみてはいかがでしょうか?

  もちろん中間値の 0.068μf(683と表記)も試す価値があります。

  値を大きくしたときの留意点として、トーンをフル(効かない)に

  しても、コンデンサの影響が僅かに残ってしまうことが挙げられま

  す。ヴィンテージっぽい傾向として良しとするか、気に入らなくて

  改善策を講じるかは、あなたの使った所感が決めることですね。

 

ここまでの効きを決める “値” のトライアルは、一般に普及している耐圧50Vのフィルムコンデンサ(別称マイラ)で十分だと思います。

価格も1個 100円以下で求められるものが殆どなので、懐を痛めずにあれこれ試せるのではないでしょうか?

 

次のステージからは感性勝負となります。

コンデンサのマテリアルや耐圧を変えることで、サウンドの奥底にある倍音のきらめきや深みが変わると言われています。ただし値を変えるほどはっきりした変化とは程遠いことも事実なので、変化に気付かなかったり意味を見いだせなかったら、ここで止めておくことも英断です。

大切なのは、いじくりまわすことよりも音楽性に結びつけることです。

 

4.コンデンサの効きが決ったら、その先はマテリアルや耐圧の選定へ

  一般的な耐圧 50Vのフィルムコンデンサから、耐圧 250V~400V

  程度のフィルムコンデンサやオイルコンデンサに交換して、サウン

  ドの変化を感じてみてください。先述のとおり耐圧が増すと倍音の

  絶縁体の通過速度に差が生じて、音色の輪郭に微妙な変化を感じる

  と言われていますので、その効果が気に入れば選定に成功したこと

  になりますね。

 

留意点として、コンデンサのマテリアルや耐圧を変更した場合、そのコンデンサの外形・質量は大きくなることが殆どです。

ポット間のクリアランスやキャビティの容積に合せて、パーツのレイアウトへの配慮が必要になるでしょう。難度が上るにつれ、コンデンサのはんだ付けにも高い技術が求められます。ご自身のレベルを超えた作業はよく言えばチャレンジに値しますが、失敗の代償もまた高いものにつくことも覚悟しなければなりません。たかがコンデンサの交換と侮らずに、難しそうな場合はリペアを依頼されることをお勧めする次第です。

 

コンデンサを交換するときに合せて弦を交換したり、アンプを別の機種に替えたり、リペアで配線やポットまで交換したりすると、元の音との比較は記憶だけになってしまい、甚だ曖昧な判定になってしまいます。

それでも良いって言われればそれまでですが、シビアに変化を感じたい場合には、できるだけ同じ環境での比較をお勧めします。

<追記①>

これを読んだ無線もやっている知人から「コンデンサの総論からは程遠いよね」とのツッコミを受けました。仰るとおり本文はエレキギターのトーンコントロールや、エフェクターのカップリングコンデンサの一部にしか通用しない説明で、いわゆる無線機や医療機器を含む電子機器へのコンデンサの選定には、もっと厳密なルールが存在します。

例えば電解コンデンサは、高周波の領域になるとコンデンサとして機能しなくなったり、逆にチープに見えてもセラミックコンデンサは高周波の領域でもコンデンサの機能を保ち続ける等、それぞれの特性や適性にニーズがあるため、世の中にこれだけの種類が存在するのです。

むしろエレキギターのトーンコントロールのように、微弱な電流に対する効果に対して、ありとあらゆる種類のコンデンサが試せるという使用例自体が酔狂なことなのかもしれませんね(笑)。純粋に電子機器へのコンデンサの適合をお知りになりたい方は本文では述べきれませんし、書いたところでどこかの専門書の写しみたいになるのは歴然としていますので、各位でお調べくださるようお願いいたします。 2021 Jan. 7

<追記②>

これを読んだギタープレイヤーの知人から「どうしてセラミックコンデンサの音は好まれないの?」との質問がありました。全ての方が同様な所感を持たれるとは断定できませんが、確かにオイルコンデンサや一部のフィルムコンデンサに比べて人気や価格が高いとは言えませんね。

あくまでも私(店主)の所感ですが、セラミックコンデンサはその独特の特性と用途から、昔から殆ど変わらずに生き残ってきたものだからと考えています。上記にも記載しましたが、セラミックコンデンサの特長は高周波でも特性が劣化しにくく、コンデンサであり続けることができます。これは LRC メータでセラミックコンデンサと電解コンデンサを比較計測すれば明白なとおり、高周波における電解コンデンサは機能しなくなってしまいます。これはコンデンサの優劣の話ではなく、用途が異なっているためで、セラミックコンデンサは例えば抵抗と組み合わせて、エフェクタのノイズキャンセル等の役割で能力を発揮しています。

例えば Fuzz 黎明期のあの Fuzz Face にはそれが備わっていないことでラジオ放送の混信が見られることがあるのに対し、後年に発売された Big Muff π や Distortion+ には備わっているので混信はありません。

エレキギターのトーンコントロールには本来の目的や用途と外れた、言葉は悪いですが容量が合致しているだけの流用でしかありませんから、良くも悪くもセラミックコンデンサの性格(高周波に強い特性)がその出音に影響することは、例え人間の可聴範囲を超えた帯域であってもニュアンスとして感じ取られることがあっても不思議ではない(個人差はありますが)と思います。現に Gibson SG は登場時からセラミックコンデンサが標準装備でしたが、それがヴィンテージ SG を構成するキャラクターの一部であると言っても過言ではないでしょう。

 

今日でも普及品は驚異的な低価格(10円程度)で供給され続けているセラミックコンデンサ。とてもありがたい存在です。 2024 Feb. 27

<実践編>“ワンコ実験ブースター”の試作

エレキギターやギターケーブル。エフェクターの「音に影響する素材の特性を確認してみる」という目的で、“ワンコ実験ブースター”という装置を作ってみました。“ワンコ”とは、筐体に利用した百均の缶ケースにプリントされたキャラクター(説明するまでもなく犬です)が由来で、仕様や性能とは無関係です(笑)。

 

この“ワンコ実験ブースター”はトランジスタ1石で増幅されるフルレンジブースターで、1970年代から製品化されている伝統的な機種の回路を基にしています。なるべく音色を変えないで音量を増幅させるという主旨のマシンなのですが、パーツのマテリアルを変えるとやはり音色が変わってしまうことは事実なので、今回はトランジスタとコンデンサに限定して交換できる仕様にカスタマイズしてみました。


左の写真で見ると、一般的な 1ボリューム・パワーブースターに見えますが、実は右の写真のようにジョンソンターミナルが4個装備されており、入力部と出力部に付いているコンデンサを交換できる仕組です。

中を開けると、回路はラグ板によるポイント トゥ ポイント配線で簡潔にまとめられています。

配線材は LED部を除き、Belden #8503 を使用。

Cliff製3PDTスイッチを使用したトゥルーバイパスを採用しています。

右の写真のように、トランジスタ用ソケットが2種類装備されており、多種多様なトランジスタの差し替えに対応させました。

写真はTO-18ケースのBC-108が挿されていますが、他にTO-92ケースの海外製品や、国産のTO-39ケース等、ピン配置 E-B-C が使えます。

手前のソケットは国産のTO-92ケース用で、ピン配置 E-C-B 用。

スタンダードだった 2SC945 や、現行 2SC1815 等が使用できます。

※ E-C-B は、正面(右側から左側を見て)から見た配置。

  E → エミッタ C → コレクタ B → ベース を指します。 

“わんこ実験ブースター”に使用するコンデンサは、回路の入口出口ともに、定格 0.1μF(マイクロ・ファラッド)です。

 

このコンデンサの役割は、簡単に書くとブースター回路内の直流電流を外部に出さないこと。

通過する音の領域を仕切る、一種のフィルターとなっていることです。

※コンデンサの種類については下記をご参照ください。

ほんの一例にすぎませんが、コンデンサの種類について触れてみます。

<オイルコンデンサ>

容量を持つ部分の電極間に、オイルを含浸させた絶縁体を用いたもの。

エレキギターのトーンコントロール用に高い人気を博し、ヴィンテージ物や稀少な物は非常に高額で取引されている。

高耐圧で大形の物が主流のため、エフェクターに用いられることは少ないが、アンプ、特に真空管アンプには多用される傾向がある。

エレキギターと真空管アンプには血が通っていると言われる所縁であろうが、共にトランジスタ式の普及以前に誕生したという共通項がある。

 

<フィルムコンデンサ>

絶縁体にポリエチレンやスチロールを用いたもので、比較的安価で精度も温度特性も安定しているため、エレキギターにもギターアンプにもエフェクターにも極めて標準的に多用されている。

容量や耐圧、フィルムの材質に伴うサイズと価格差はとても大きい。

ひと昔前は“マイラ”と呼ばれることが多かったが、これはデュポン社の商標が代名詞になったもので、最近はあまりこの名称は用いられない。

※フィルムコンデンサは多種多様のため一族の紹介は割愛します。

※スチロールコンデンサはフィルムコンデンサと分けて紹介されること

 があります。

 

<電解コンデンサ>

化学的に腐食させたアルミ電極と、絶縁体に電解液を用いたもので、別名 “ケミカルコンデンサ(ケミコン)” とも呼ばれる。フィルムコンデンサとともにポピュラーな存在。精度や温度特性は良くなく経年劣化も起きやすいが、比較的小形で大容量にできる特徴がある。極性を持つ。

整流やデカップリングには欠かせないコンデンサだが、設計によってはカップリングに用いられることもある。エレキギターには殆ど用いられない※ が、アクティブPU装備ギターのトーンに使われることがある。

※内蔵のブースターやプリアンプには普通に用いられています。

※近年は無極性・高音質を謳った製品も充実し、進んでカップリングに

 用いられることもあります。無極性は、NP あるいは BP と表示。

 

<タンタルコンデンサ>

タンタル電解コンデンサとも呼ばれる、文字どおり電解コンデンサの一族だが、タンタルという元素の酸化被膜を用いたもので、ソリッドかつ超小形化を達成(電解液を用いた大形のものもある)。精度や温度特性についても、フィルムコンデンサ並みに改善されている。極性を持つ。

一見良いとこ尽くめであるが、過電流等で内部破壊が起きるとショートする方向で破壊されるため、それが原因で他の部位に故障が及ぶリスクを持つ。そのため使用する箇所にはあらかじめ注意が必要とされる。

その点普通の電解コンデンサの場合、内部破壊が起きると絶縁する方向で破壊される(100%ではない)ため、他の部位に故障が及ぶリスクは少ない。しかし漏れ出した電解液で他の部位を腐食させることがある。

フィルムコンデンサ、電解コンデンサとともに最もポピュラーな存在。

高精度な部品や省スペースを必要とされる回路には欠かせないコンデンサ。エフェクターやソリッドステートアンプの部品としても常連。

エレキギターには殆ど用いられない※ が、アクティブPU装備ギターのトーンに使われることがある。

※内蔵のブースターやプリアンプには普通に用いられています。

 

<セラミックコンデンサ>

絶縁体にセラミックを用いたもので、精度や温度特性はあまり良くないが、適用範囲が広く高周波まで扱えるメリットがある。

エフェクター用途には、フィルタやノイズ対策で欠かせない存在。

Gibson SG 等、1960年代のエレキギターにも多用されたことがあったが、品質が安定しているうえに安価なフィルムコンデンサが供給され始めると、エレキギターにはあまり多用されなくなった。マイカ同様に、ハイパス用途など特殊なケースでの使用は継続されている。

 

<積層セラミックコンデンサ>

最近コンデンサの主力にのし上がってきているハイテク製品。

基本的にセラミックコンデンサの発展形だが、製法が進化したおかげで小さな外観にもかかわらず電解コンデンサに匹敵する容量が得られる。

エレキギターには殆ど用いられないが、エフェクターには多用される。

 

<マイカコンデンサ>

絶縁体にスライスしたマイカ(雲母)を用いたもので、精度も温度特性も高周波特性も優れた高級品。材質上薄形・小形化できず高額である。

エレキギターには殆ど用いられないが、ハイパス用途など特殊なケースで使用されることがある。

 

*おことわり

説明文中で「優れた」という表現をたびたび使用していますが、特性や計測など性能的な見地から優れているという意図で使用しています。