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Mosrite Japan 70's

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*ZO-3 初期の内蔵アンプギャラリー

1990年に生産された「韓国製 ZO-3」それに続く「台湾製 ZO-3 」には、現在のようなボリュームとスイッチを基板に一体化した仕様ではなく、スピーカーキャビティ内に独立した内蔵アンプの基板が設置されていました。店主が知る限りでは大まかに6種類がカウントできます。

※基板の成型色にも数種類ありますが、それはカウント対象外とします

ZO-3 全体の流れから見ると短い期間ではありましたが、それでも変遷があって魅力的な側面(音質も良かった)もありましたので、所有する検体の中からピックアップしてご紹介してみたいと思います。

コストや生産効率の面からすると、独立したアンプ基板というのは決して良好とは言えないのかもしれませんが、先述した音質の面とか修理・交換が可能である面ではとても優れているというのが店主の所感です。

Vol.1 最初期の韓国製 ZO-3 内蔵アンプ


ZO-3 が産声を上げた 1990年、生産国は韓国からのスタートとなりました。既に量産仕様としての原型は完成されてはいましたが、外観上の大きな特徴を2つ有しています。

①スピーカーリングを持たず、緩いドーム状のグリルネットを装着。

②ピックアップが3点支持仕様 → 次の台湾製以降は2点支持仕様。

内蔵アンプは画像のとおり、スピーカーキャビティ内にビス止めによって固定されています。基板のパターンも、当然このビス穴を避けてレイアウトされていますので、独特のパターンとなっています。

アンプ回路について触れておきますと、東芝製 TA7313AP という小形のオーディオ用パワーアンプICを基本としたもので、著名な Marshall製ミニアンプ MS-2 と非常に良く似た回路構成を採っています。ただパワーアンプ部については、こちらの ZO-3回路の方がデータシートの奨励回路に準じた設計になっているようです。

Ver.1 ~ 3 までは、上掲の画像どおりスピーカーキャビティ内にビス止めする方式で、店主はシンプルに「2穴(にけつ)」と呼んでおります(笑)。

画像を1枚に留めたのは、パターンは同一で部品の定数のみ異なるためです。

Ver.1:パワーアンプIC:KTI7313AP、トランジスタ:2SC1815GR

    C2:1μf、R4:470kΩ、ゲイン半固定抵抗:300kΩ

Ver.2:パワーアンプIC:KIA6213S、トランジスタ:2SC3198GR

    C2:1μf、R4:470kΩ、ゲイン半固定抵抗:300kΩ

Ver.3:パワーアンプIC:KIA6213S、トランジスタ:2SC3198GR

    C2:1μf、R4:270kΩ、ゲイン半固定抵抗:500kΩ

パワーアンプIC:KTI7313AP は頭に “K” が付いていることから、東芝製 TA7313AP の韓国ライセンス品ではないかと思われます。

それが Ver.2 からは KIA6213S に代わっていますが、これはいわゆる「セカンドソース」という同等品で、著名なオペアンプ 4558 等でよく見られますね。ちなみに Marshall MS-2 に採用されているパワーアンプIC は、この KIA6213S の方です。

パワーアンプIC 以外では、トランジスタとカップリングの電解コンデンサ、信号電流抑制用の抵抗、ゲインコントロール用半固定抵抗の値が変遷していますが、これはトランジスタのゲインが上ったことへの対応と思われます。ZO-3 ではいくらアンプの音量を上げても一定値を超えるとハウリングを起こしますので、ひたすらハイパワーを得るためだけのチューニングは意味を成しません。この場合のパーツ変遷は、部品の定格が変わったことでの調整目的と理解するべきと思います。

揚げ足をとるようで気が引けるのですが、パワーアンプ部コンデンサの C8 と C10 のプリント指示が反対となっているエラーが見られます。

生産過程で発見されたらしく、どの基板も正しい位置に部品が装着されてはいますが、誤プリントが改まることはありませんでした(苦笑)。

この「2穴」バージョンでは、それ以降のアンプ基板には見られない、豪快なパーツレイアウトとそのはんだ付けが見られるのが特徴です。店主は「スチャラカ基板」と呼んで喜んでいますが、これでも動作的には問題無いので OK なのでしょうね(笑)。

Vol.2 基板 No.687 ZO-3 内蔵アンプ

Ver.4:パワーアンプIC:TA7313AP、トランジスタ:2SC1815BL

    C2:1.5μf、R4:1MΩ、ゲイン半固定抵抗:250kΩ

「2穴」アンプ基板から初めてのフルモデルチェンジバージョンです。

店主は裏面のパターン面に表示された #687 というナンバーで識別しています。

画像のように「2穴」が無くなりパターンが大幅に変更されてはいますが、回路は同じです。

「2穴」の廃止に伴い、装着方法がビス止めからスピーカーとキャビティ壁の間にウレタン緩衝材を挟んで固定する方式となります。

パワーアンプICが東芝製となり、トランジスタもゲインの高いものに変わっています。各パーツ値の変更も、それに伴う調整と思われます。

実はこちらの基板にもエラーがあって、デカップリングコンデンサの

C4(電解コンデンサ 100μf)のプリント指示が極性反転しており、あろうことか、部品も逆にはんだ付けされてしまっています。ZO-3 の基本仕様は電池電源のみなので、C4 の役割はそれほど高くありません。

性能への影響は少ないにしても、電解コンデンサを極性反転させたまま装着して量産してしまうのは如何なものかと考えてしまう次第です。

Vol.3 基板 No.2273 ZO-3 内蔵アンプ

Ver.5:パワーアンプIC:TA7313AP、トランジスタ:2SC1815GR

    C2:2.2μf、R4:1MΩ、ゲイン半固定抵抗:250kΩ

#687アンプ基板からのマイナーチェンジバージョンかつ最終形です。


基板のパターン面に 2273 とプリントされた、セパレート仕様内蔵アンプの最終形となったグループです。「2穴」仕様の場合はパターンをそのままに電子パーツの形式や定数を変更するマイナーチェンジが続きましたが、先の #687 で変更したプリントパターンを更にリニューアルした意図が分かりませんが、これ以降はコントロールキャビティ内にボリュームポットやスイッチをマウントした一体形に変わってしまったため、これ以降の変更はありませんでした。ただこの仕様での生産が比較的長かったため、表面のプリントや板材の色に相違点が見られます。

残念なことに #687 でのエラーが改善されないまま、デカップリングコンデンサのC4(電解コンデンサ 100μf)のプリント指示が極性反転して、部品も逆にはんだ付けされてしまっています。

画像は初期の #2273 と思われる個体で、#687 の面影を多分に残しています。過渡期であろう裏付けに、基板中央の半固定抵抗(トリマー)が樹脂フード無しのむき出しタイプが使われています。

基板材が明るいので、パターンやナンバーが鮮明に確認できます。

Vol.4 謎のモンスター ZO-3 内蔵アンプ

Ver.X:パワーアンプIC:KTA7313AP、トランジスタ:2SC1815GR

    C2相当:1μf、R4相当:なし、ゲイン半固定抵抗:300kΩ

極めて限定的に使用されたと思われる、表題どおり “謎の内蔵アンプ基板” と言えます。

あくまで推測の域を出ませんが「2穴」から #687 への移行期間に、パーツの手配が間に合わなかった際の暫定版なのではないかと、店主は考えています。基板には表裏共に、パーツの取付指示も、ロット番号や管理番号といった表記も一切見られません。裏面のパターンも、何となくアマチュアの電子工作のようにテープ構成のような、ややぎこちないプリントです。

驚くべきことにパーツの簡略化が行われており、パワーアンプ部への電流抑制のための抵抗が省略されていて、カップリングコンデンサからの直結となっています。その他の回路定数やコンデンサの材質変更も何点か行われており、このアンプ基板が異彩を放つ要因ともなっています。

おそらくこのシリーズのアンプ基板において、最もハイパワーな仕様だとは思うのですが、ZO-3 にマウントする限りはオーバースペックで、しかもフルパワーではもちろん使用できず、調整によってゲインを下げる際にも使い難かったのではないかと、これも店主の推測であります。

資料館 特注品?内蔵アンプ用電池スナップ

画像中央と下のリード線が長いタイプが、ZO-3 内蔵アンプ用に特注されたと思われる電池スナップで、線長は 20cm。画像上は市販の電池スナップで、線長は 15cm。店主は市販品を延長し、補修に使用しています。

※線長は品種により異なります

資料館 内蔵アンプ用コネクターのいろいろ

アンプ基板とボリュームポットとを結ぶコネクタ付のシールドケーブルにも種類があり、店主は画像の3種類を確認しています。左側が #2273 用で、こちらはフェルナンデス・サスティナー等にも採用されている「XHコネクタ」という規格です。

比較的汎用性があり入手しやすい利点もあって、修理等では他の規格が付いていても、「XHコネクタ」に交換してしまう場合があります。

営業編 特製品@アンプの完成基板

カスタム ZO-3 3 でもご紹介しておりますが、内蔵アンプ #2273 をベースにカスタマイズした、ハンドメイド基板を販売しています。

現在は TA7313AP、KIA6213S 共にディスコン(廃品種)となっておりますが、他にも同規格・同性能のセカンドソースがあって、そちらの方は未だ入手可能なため、当面は受注を継続できる見込みです。

台湾製やそれに続く中国製ポット一体形の ZO-3 や芸達者への乗せ換えで、ご好評いただいております。また更にパワーアップしたバージョンを、XMAS GUITAR に搭載しており、迫力あるサウンドをお楽しみいただいております。ぜひカスタマイズをご検討ください。