お客様より以下のお問い合わせをいただきましたので、臨時に Q&A コーナーを設けてご回答させていただきます。
Q:お店での試奏は可能ですか?
A:誠に申し訳ありませんが、作業場所を非公開としていること。
所用での外出が多く日時のお約束ができないため、来店と試奏につき
ましてはご容赦ください。
Q:レッドラベル Pignose 7-100 の購入を検討しているのですが、年代によって仕様に違いがあるのでしょうか?
A:私はこれまで各年式のレッドラベルを100台以上扱ってまいりましたが、このアンプについては年代による音質の特徴は見いだせないとの見解を申し上げます。レッドラベルは1973年頃から量産が開始され、1982年には米国での生産を終了しております。この間、一貫して同仕様のスピーカーと基板が使用され、部品の定数も殆ど変っていません。
※例外的に試作と思われる別仕様の基板が、極少ですが存在しました。
仕様のちがいは筐体の外観に顕著です。最初期はライトブラウンの合皮製。その次も合皮ですがブラウンが濃くなって質感も豚革に近いもの。
この時代にスピーカーの位置が若干上方に移動します。おそらく生産時にアセンブリし易くするためのマイナーチェンジと思われます。
そして最後の仕様が、生産終了まで再びライトブラウンの合皮(質感が最初期とは若干異なる)で生産されます。
最初期の仕様は電池ケースや ACアダプタジャックが華奢だったりと、未完成的な要素が散見されるため、実用というよりは状態良好なものが稀少なために、コレクターズアイテム的な見方をしています。
お勧めは、初期型以降で ACアダプタジャックが3 .5Φに強化された仕様です。
当工房では、先ず配線や基板の状態を確認してから音出しを行います。
コンデンサーやトランジスタに異常があると音に影響しますので、これを交換します。コンデンサーは今日の物(経年した電解コンデンサーは使い物になりません)、トランジスタは当時物のデッドストックを少量在庫しており、それを使用しています。メンテナンスを行ってから更にエイジングを行うと、殆ど同じ音になります。
レッドラベルを愛好される方で、年式(仕様)毎にコレクションを揃えるのをお手伝いしたことがありますが、やはり音は変らないと仰っていました。但しメンテナンスでコンデンサーを新しくすると音がシャキッとする。これは当たり前なのですが、劣化した状態では音像が暗く歪みやすく、ノイズも増えます。
リイシュー品ではトランジスタがシリコンになって(これも好きずきですが)音ははっきり変ります。当工房ではレッドラベルについては状態維持。リイシュー品については積極的なカスタマイズでヴィンテージ物とは違う魅力を打ち出すようにしています。
どうかご検討のほどよろしくお願いいたします。